終身雇用が事実上過去のものとなっている現在でも入社式を行う企業が特に減ったというわけではありません。式典好きな国民性ということもあるでしょうが、やはりそれだけ入社式には意味があると考えている企業が多いからでしょう。そうです、入社式というのはその企業の一員になるというだけではなく、その企業に就職するということを通して社会人の仲間入りをするという意味合いもあります。そういう意味では、入社式は学生から社会人になることを強く認識するための節目として良い機会だと思います。
社会人になる、というのは具体的にはどういうことなのでしょうか。会社員になると、毎日会社に行って仕事をする報酬としてお給料がもらえます。単にこれだけのことならアルバイトでも同じですね。アルバイトは時給計算ですが、それが月給になっているだけのことです。ですがアルバイトに入る初日に入社式をする会社なんて聞いたことがないですね。
つまり、会社は正社員として入社する人とアルバイトとを明確に区別しているのです。アルバイトはいくら長い期間在籍していたとしても正社員のような出世をすることはありませんし、会社もアルバイトに対しては特に責任を持ちません。ですが正社員となると話は違います。会社はその人に会社の重要な位置についてもらうことを期待しています。それは入社式を終えたばかりの新入社員に今すぐということではなく、会社がちゃんと研修を行ってそういった資質を持った人に育ててくれます。報酬についてもアルバイトと違って雇用保険がついていますし、年金や健康保険も全て揃っています。会社がここまで新入社員のことを大事にするのですから、新入社員も会社に対して責任を持つことになります。アルバイトのように仕事の指示を待って言われたことだけをするのではなく、正社員は会社の将来を考えて成長させるための努力をする責任があります。まさに会社の屋台骨です。
入社式はその会社が主催するものなのでその会社に入社することだけに考えがいきがちですが、もっと広い意味では社会人になるための節目の儀式だと言えるでしょう。
ちなみに筆者も入社式を体験しました。筆者は大学の3回生までに大半の単位を取得してしまっていたので4回生はあまり授業に出る必要がなく、好き勝手に遊びまわって過ごしていました。そんな気分のまま大学を卒業し、4月1日になって入社式に出席しました。就職先が金融関係だったため、入社式も非常にお堅いものでした。前日まで完全に学生気分だったところにいきなり銀行マンとしての心得を聞かされたため、あまりのギャップに面食らったのを覚えています。これは極端な例だとしても、大学生から社会人になると時に同じような感覚になった人は多いのではないでしょうか。
入社式は正社員のもの
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